加害者の一方的かつ100%の謝罪だけが先行し、被害者の顔も声もコメントすら出てこない展開になった。いまや天下の大企業・日本のエクセレントカンパニーにも名を連ねる吉本興業の身内の喧嘩である事を思えば、これも当然の成り行きかもしれない。
マスコミの兆児であり吉本の屋台骨を支え、選挙の応援演説で候補者をトップ当選させてしまう力量の持ち主に成長した48才の島田が、かつてのヤンキー高校生よろしく40歳の女性マネジャーに一週間の怪我を負わせた、というこの事件。
敬語の使い方や社内の敬称が発端、と説明されているけれど、こういう話しほど人間の好き嫌いが如実に表面に出てくることはない。要するに、島田からみて「生意気」、マネジャーからみて「不遜」、そしてファンからみれば、島田が好きか嫌いか、という次元以上でも以下でもないのだろう。
企業が成功し注目を浴び始めると、社内の人間が皆、誤解を始める。芸人は自分を総理大臣の様に巨大化し、マネジャーは総理大臣の秘書官になった気になる。自己増長して外に大きくなっていく内に、信頼関係のない社内でそれが不用意に衝突する。
ちょっと前をただせば、お互い痴れた者同志だけに、お互いのにわか自尊心をかばい合う余裕など微塵もない。ましてや腹の底では馬鹿にし合っているから、尊重し合う風土もない。今回の事件の真相はおそらくこんなところだろう。
島田が泣いて会見を開いていたが、後悔の涙よりは、こういう収め方を図ることへの悔し泣きが半分だったのではないか。40才の女性マネジャーが誰の付き人で、島田とその芸人の関係がどうだったのか、など週刊誌ネタ的な興味はあるだろうが、会社のマネジャーって仕事は何なのか、商品である芸人を怒らせ、挙句にかすり傷で告訴するのが本来の業務からは100万光年離れている事に思いが至れば、プロ・アマのレベルを超えて、不向きな職業だったとしかいい様がない。
もっとも、事件の実態が報道されている範囲に収まっていれば、の話だが。
国民総若返り現象の中で、40代のオヤジ・オバンの幼児退行現象もここまで来た感がある。
酔ってタクシーの運転手を蹴り雲助呼ばわりした事で、いまだに傍流から戻れずじまいのNHKの松平アナの二の舞にはならないで欲しいものだ。


なるほどと唸る寸論でした。この事件、漠然とした違和感は感じていたものの素通りしていたので、ガボリン大佐の切り口&解説はすばらしかったです。
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